不妊の原因(2)痰湿
前回の「不妊の原因(1)気滞血瘀(きたいおけつ)」に引き続き、今回は「痰湿(たんしつ)」についてお話します。
「気滞血瘀」とは、気が滞り、血がドロドロしている状態で、卵管のつまりなどを引き起こしてしまうという症状でした。
それでは、「痰湿」とは、どういう身体の状態のことを指すのでしょうか。
痰湿とは?
「痰湿(たんしつ)」=体内に余分な水分がたまっている状態です。
痰湿の主な症状
・むくみやすい
・おりものが多い
・生理が遅れがち、出血量が少ない
・舌の苔が白くて厚い
・冷え性(特に下半身)
・お腹を下しやすい
・舌に白いねっとりした厚い苔がついている
むくみも症状のひとつです。
痰湿が主症状として出ている方は「色白でぽっちゃり」または「細くても筋肉が付きにくい」といったタイプが多い気がします。
痰湿は日常生活において前述したような症状、つまり病気ではないお悩みを抱える事が多いのですが、これが進行すると「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」や「卵巣嚢腫」を引き起こすことがあります。
多嚢胞性卵巣症候群の患者さまにはかなりの確率(半分以上)で痰湿の症状があります。
そして「低温期が長く、高温期の体温が低め」など、基礎体温の乱れの原因にもなります。
【 J-CLINICの痰湿治療 】
鍼灸治療
水分代謝を良くするツボを刺激し、さらに体をしっかり温めて余分な水分を対外へ排出します。
漢方薬の処方
痰湿に効果があると言われている漢方は、「二陳湯(にちんとう)」や「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」などが有名です。
鍼灸漢方治療で期待できる効果
・鍼灸または漢方治療により、体に余分な水分を溜め込まなくなり、むくみや冷えが改善されます。
・しっかりと適切な低温期から高温期を維持し、良質な卵胞が育つようになります。
※ 低温期が長いと卵子が冷えてしまいます。
・生理の出血量が少ない方は、量が増えることにより着床しやすい内膜ができていきます。
なお、効果が出始める治療回数は患者様の体質などにもよって異なりますが、早い方で1回目、遅くても1~2ヶ月(基本週1回ペース)程度とお考えください。
タイでは雨季の期間が長いので、痰湿の症状が出る方が日本より圧倒的に多いようです。
最近も急な雨が良く降りますが、雨季は6月から10月くらいまでと言われています。長いですね!
なので、雨季の間だけでも、冷たい飲み物を控えて、しっかり運動して汗をかくことも対策のひとつです。
また、タイ料理をガツガツ食べて、しっかり汗をかいてもいいです\(^^)/
▼ 代表的なトムヤムクンも、タイ生姜=南姜(なんきょう/タイ語:カー ข่า)がたっぷり入っているので、食べたあと、汗かきますね。
ただし、胃腸な弱い方は気を付けてください!辛いですから…。
それから、タイ料理に合うからってビールは禁物ですよ~。身体を冷やすので。
それでは、次回は、「不妊の原因(3)腎虚(じんきょ)」の症状についてお話します。
バンコクで不妊治療に関するお悩みがありましたら、当院までご相談ください。
<不妊治療関連の過去記事>
不妊の原因(1)気滞血瘀(きたいけつお)
不妊の原因(2)痰湿(たんしつ)
不妊の原因(3)腎虚(じんきょ)
気滞血瘀の方にお勧めの食材・飲み物
人口受精・体外受精直前の鍼灸治療
初診の場合は、鍼灸漢方科の日本語通訳がいる日にご受診ください。
よくあるご質問ですが、当院には鍼灸漢方科に勤務する日本人鍼灸師はおりません。
鍼灸治療や漢方薬を処方する資格をもった中医師(Traditional Chinese medical doctor)の先生が問診と施術を行います。鍼の打ち方は痛みの少ない日本式をとり入れています。
鍼灸漢方科の治療では、タイ人の中医師の先生が体質タイプの診断、治療効果について東洋医学と中医学の用語を使って説明します。そのため、日本語通訳を通してお話ししていただくことがより理解が深まります。
鍼灸漢方科に日本語通訳がいるスケジュール(プロンポン院)
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