こんにちは、バンコクJ-CLINIC 鍼灸漢方科のリンリンです。今日は、更年期障害の症状の１つであるホットフラッシュの治療について、症例を用いて紹介します。
ホットフラッシュ（ほてり・のぼせ）はエストロゲンの減少によって、血管の収縮や拡張をコントロールしている自律神経が乱れることによって起こります。
症状としては、2～4分間持続する熱感と発汗を自覚し、脈拍が増加。ほてりや発汗は顔面から始まり頭部・胸部に広がります。顔面のほてりや発汗のみの場合もあります。
引用:更年期ラボTOP 更年期の症状 ホットフラッシュ（ほてり・のぼせ）
45歳のSさんは3ケ月前に、ほてり、のぼせ、発汗の症状を発症。J-CLINIC 鍼灸漢方科に来院されました。
症状は日中だけでなく夜間も発症。そのため、ぐっすり寝ることができませんでした。
顔、上半身は熱い。一方で手足の冷えがありました。動悸もありました。
また、Sさんは当院で診察する前に病院で血液検査を受け、女性ホルモンの数値が低下していることがわかりました。
Sさんの舌は暗紅舌で厚く、黄白色の舌苔。脈は脈虚脈で弱い。
気血が滞り、陰虚で体内に熱がある（气滞血瘀证、 阴虚火旺证）（気滞血瘀、陰虚火旺）ことがわかりました。
患者様のお話をお伺いし、脈診、舌診を行います。治療計画をお伝えしています。
鍼灸治療によって自律神経やホルモンバランスを整えることにより、更年期障害の症状を軽減することが期待できます。
鍼灸経穴（メインのつぼ）百会、关元、肾俞、太溪、三阴交、（追加でこちらのつぼにも刺激を入れました→）大椎、气海、足三里、合谷、印堂、曲骨、中脘
お灸もしました。
メイン漢方薬：メインは逍遥散合四物湯、また黄芩、辛夷、酸枣仁、百合、仙鹤草、仙茅も加えました。
中医師の診断に基づき、患者様一人一人の症状に合わせた漢方薬を処方します。当院の漢方薬は、生薬の抽出エキスを加工した粉末タイプ。煎じたものに比べて、匂いと苦みが少ないのが特徴で持ち運びにも便利です。症状に合わせて１週間から２週間分を処方します。
運動を１回３０分、最低週３回ペースでするとよいでしょう。
患者様は症状が重い時は週1回、改善されてからは２週間に１回のペースで通院されました。
症状はあまり改善しなかったため、漢方薬を「六味地黄丸」に変更しました。
他にも患者様の症状に合わせて、いくつかの漢方薬を追加（黄芩、酸枣仁、百合、仙鹤草、怀牛膝、丹参、龙骨、牡蛎、淮小麦、枳实、白术、墨旱莲、郁金）
J-CLINICでは１週間分から薬を処方、改善状況を見ながら、お薬を調整していきます。
ほてりの症状は大幅に改善しました。夜起きる感覚も以前より短くなりました。ただ、発汗はまだ残りました。手足の冷えは改善。症状に合わせて、薬を調整しました。
睡眠が改善。以前は２時間おきに目が覚めていたのが、4時間おきになりました。
動悸もなくなりました。昼間汗は少なくなりましたが、夜寝汗がまだありました。
ほてり、発汗ともにほぼなくなりました。
発汗は少しのこるものの、ほてりは完全になくなり、夜も熟睡できようになりました。
症状が改善され、病院で検査した結果、女性ホルモンの数値も上がり、排卵も起こるようになりました。
漢方薬と鍼灸を併用して血流を良くする治療を行った結果、ほてりや不眠症を徐々に改善することができました。
他の内臓にも栄養補給したり、免疫力を高めたり、体の機能のバランスを整えることができました（＾＾）
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よくあるご質問ですが、当院には鍼灸漢方科に勤務する日本人鍼灸師はおりません。
鍼灸治療や漢方薬を処方する資格をもった中医師（Traditional Chinese medical doctor）の先生が問診と施術を行います。鍼の打ち方は痛みの少ない日本式をとり入れています。
鍼灸漢方科の治療では、タイ人の中医師の先生が体質タイプの診断、治療効果について東洋医学と中医学の用語を使って説明します。そのため、日本語通訳を通してお話ししていただくことがより理解が深まります。
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