こんにちは、バンコクJ-CLINIC 鍼灸漢方科の中医師のプロイです。今回は、冷え性について、治療とそのセルフケアについてお話します。
常夏のバンコクと冷え性は関係ないような感じもしますが、冷え症や冷えからくる生理痛でお悩みの患者様が多くいらっしゃいます。
年間の平均気温が約30℃のバンコクでは建物の中は強めの冷房が効いていて、冷たいものをよく食べてしまう…といった冷え性を引き起こす生活スタイルになりがちです。
体は、ホルモン、神経、免疫機能の相互作用で健康な生命活動を維持しています。
体温調節は、そのすべてに関連しています。冷えという体温調節の異常があると、それはホルモン、神経、免疫のバランスに大きく影響し、健康維持が難しくなってきます。
冷えは「万病の元」、または何か病気のサインかもしれないと言われるのはそのためです。
冷え症は、様々な要因によって引き起こされされます。
また、病気(貧血、糖尿病、甲状腺機能低下症、自己免疫疾患、循環器系疾患など)から冷え症が引き起こされることもあります。
冷えが現れる部位は、手足のみ、お腹だけ、全身、下半身だけ冷える…など様々ですが、今回は「手足の冷え」の症状に注目します。
中国伝統医学では、手足の冷えの原因を「陽虚体質」であると考えます。
冷たいものを飲食する、寒い場所に長時間いるなど体が冷えると陽が破壊されます。
陽が破壊されると、手足の冷え、頭痛、消化不良、鼓腸、下痢、めまい、眠気、寝起きが悪いと症状が出ます。また、舌には薄い白苔、虚脈(力のない弱い打ち方)がみられます。
症状
脈診・舌診結果:舌が赤い、舌苔が薄白、弱い滑脈
診断結果:冷え性
体質タイプ:陽気虚
治療法:鍼、灸
診察では脈診、舌診、患者様の体の状態やライフスタイルについてお伺いします。
Sさんの症状は、2回の治療(週1回通院)で手足の冷えが50%ほど改善したと実感。1ケ月後(通院4回目)には、手足の冷えはほとんど感じなくなり、生理前・生理中に痛みも緩和され、痛み止めを飲みませんでした。
最初の1ケ月は週1回、その後冷えと生理痛が改善した後は身体のバランスを整え、気血の巡りを良くすることを目的として月に1~2回来院しています。
Sさんの、セルフケアとしては、夜寝る前に足湯に入ること、体を温めるジンジャーティや薬膳スープを飲むことをお勧めしました。
冷え性の方にお伝えしているセルフケアです。
また、体質タイプによって、セルフケアの方法は異なります。
症状
手足の冷え、胸や脇腹の圧迫感、情緒の不安定、ため息が多い、イライラ、怒りっぽい、嘔吐または腹部膨満、動悸、排尿困難、薄白舌苔、弦脈
セルフケア方法
夜11時前に就寝し、7~8時間の睡眠を取ること。あまりストレスを貯めず、心をリラックスさせ、十分な休息を取りましょう。
症状
手足の冷え、寒さを感じる時の体の痛み、生理不順、淡紅舌、薄白で滑舌苔、沈細脈
セルフケアの方法
体を冷やす食べ物は控える、寒い場所を避ける。ショウガ、コショウ、竜眼、小豆、赤糖、クコ、トマト、緑色の野菜、ナツメ、桑などの赤い色(心臓の色)と緑色(肝臓の色)の含まれている補血作用のある体を温める食べ物を摂取しましょう。
症状:手足の冷え、膨満感、痰、喉に痰が詰まる感じ、食欲不振、白く目立っている状態の舌苔、力のある滑脈であるが時々緊弦脈。
セルフケアの方法
体湿や冷えを引き起す要因を避ける。油っこい物や甘い物を控えて、運動で汗をかきましょう。
冷え性にお悩みの方は、原因を調べるために診察を受けることをお勧めします。中医師の先生がは患者様の体質タイプを診断し、体調や症状に合わせて鍼、お灸、カッピング、漢方薬などの治療法を提案します。
よくある質問ですが、当院には鍼灸漢方科に勤務する日本人鍼灸師はおりません。
鍼灸治療や漢方薬を処方する資格をもった中医師(Traditional Chinese medical doctor)の先生が問診と施術を行います。
参考:日本漢方生薬製剤協会: ホーム >> コラム集 >> 「冷え症は治らない」とあきらめていませんか?
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