こんにちは、バンコクJ-CLINIC鍼灸科、中医師のリンリンです。今回は粉末タイプの漢方薬を服用することで、更年期障害の症状を改善できた症例について紹介します。
46歳から始まった更年期の症状
46歳の時から体の不調を感じ始めたFさん。

Fさんには様々な症状が現れていました。
- 生理不順
- 顔と上半身のほてり
- 疲れやすい
- 動悸
- 情緒不安定
- 胸が締め付けられる感じ
- お腹にガスが溜まる
- 眠りが浅く寝つきが悪い
- 下半身がむくむ
- 頭痛
中医師の診断
Fさんのお話しを聞いたあと、舌診、脈診をして、体質タイプを診断しました。

Fさんを診断した結果
- 舌:乾燥している、ひび割れ、歯痕がある
- 脈: 弦細数(力強く、弓の弦のような脈の時もあれば、弱い時もある)診断:腎陰虚、肝陽上亢
診断の結果、肝陰を補い、肝の陽気を鎮める粉末タイプの漢方薬を処方することしました。
J-CLINICのオーダーメイド漢方薬
漢方薬は、中医師が患者様の体質タイプと症状に合わせて生薬を選んで調合し、1~2週間分を処方します。
薬の配合は細かく調整できます。中医学では体調と季節は密接に関係していると考えられているので、雨季に入って頭痛が酷くなった、手足がむくむという時は頭痛とむくみに効く漢方薬を加えます。

漢方薬服用後の効果
服用して1週間経過した後、Fさんは顔と上半身の火照りが緩和され、十分に睡眠がとれるようになりました。
1週間後再診し、不安感や下半身のむくみを改善するために、体の水分を取り除くための肝脾気を補う作用がある漢方薬を加えました。
その後Fさんは定期的に問診を受け、その都度調整された漢方薬を服用し続けて、9ケ月後には不規則な周期だった生理が毎月来るようになりました。正しい生理周期になったからは、PMSの症状がみられるようになったので、PMSを改善するためのお薬を処方しています。
更年期障害に漢方薬がよく選ばれる理由とは?
更年期の不調に対して、西洋医学ではホルモン補充療法(HRT)が用いられることがあります。一方で「ホルモンを直接補う治療に抵抗がある」「血栓症や乳がんの既往歴があり、HRTが使えない」などの理由で、漢方を検討される方も少なくありません。
日本人の患者様からは、市販薬の「命の母」についてご質問を受けることもあります。
「命の母」は冷え、のぼせ、疲労感など幅広い不調に対応できるように作られています。ただし、漢方の専門処方と比べると特定の症状に特化していないため、症状が強い方には効果が物足りない場合があります。逆に「症状は軽めだけど、色々と不調がある」という方には合うこともあります。
漢方の処方は、一人ひとりの体質や症状に合わせて選ぶのが特徴です。更年期障害と一口にいっても、のぼせがつらい方、冷えが強い方、気分の落ち込みが目立つ方など様々です。症状や体質に合わせて処方を調整することで、より的確なサポートが可能になります。
初診について
初診は日本語通訳がいる日にご予約ください。
鍼灸漢方科に日本語通訳がいるスケジュール
当院には鍼灸漢方科に勤務する日本人鍼灸師はおりません。鍼灸治療や漢方薬を処方する資格をもった中医師(Traditional Chinese medical doctor)の先生が問診と施術を行います。
鍼灸漢方科の治療では、タイ人の中医師の先生が体質タイプの診断、治療効果について中国伝統医学の用語を使って説明します。
そのため、日本語通訳を通してお話ししていただくことがより理解が深まります。
バンコクで更年期の体調不良にお悩みの方は、お電話、ライン、お問い合わせフォーム、Facebook からお気軽にお問合せください。