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更年期の不調を漢方薬で緩和する|バンコクJ-CLINIC

こんにちは、バンコクJ-CLINIC鍼灸科、中医師のリンリンです。

今回は粉末タイプの漢方薬を服用することで、更年期障害の症状を改善できた症例について紹介します。

Menopauseとブログタイトルを書いた画像

J-CLINICでは、市販品ではなく、1人1人の体調に合わせた漢方薬を中医師の先生が調合して処方しています。

 

46歳から始まった更年期の症状

2021年7月、46歳の時から体の不調を感じ始めたFさん。

半年間特別な治療をしなかったFさんですが、年齢的なこともあり更年期障害を疑い、2022年2月に当院にいらっしゃいました。

体調不良に悩む女性

Fさんの症状は、生理不順、顔と上半身のほてり、疲れやすい、動悸、情緒不安定、胸が締め付けられる感じ、お腹にガスが溜まる、眠りが浅く寝つきが悪い、下半身がむくむ、頭痛。様々な体の不調が現れていました。

 

中医師の診断

Fさんのお話しを聞いたあと、舌診、脈診をして、体質タイプを診断します。

脈診をする中医師

脈診をするリンリン先生。

 

Fさんを診断した結果

  • 舌:乾燥している、ひび割れ、歯痕がある
  • 脈: 弦細数(力強く、弓の弦のような脈の時もあれば、弱い時もある)
  • 診断:腎陰虚、肝陽上亢
  • 治療方法:肝陰を補い、肝の陽気を鎮める粉末タイプの漢方薬を処方

 

漢方薬服用後の効果

服用して1週間経過した後、顔と上半身の火照りが緩和され、十分に睡眠がとれるようになりました。

そしてFさんが1週間後再診。問診後、不安感や下半身のむくみを改善するために、体の水分を取り除くための肝脾気を補う作用がある漢方薬を加えました。

1週間または2週間後毎に問診、都度調整された薬を飲み続けて4週間経ったころには、不安感、むくみ、頭痛などの症状も改善しました。

その後Fさんは定期的に問診を受け、その都度調整された漢方薬を服用し続けて、9ケ月後には不規則な周期だった生理が毎月来るようになりました。

正しい生理周期になった今は、PMSの症状がみられるようになったので、PMSを改善するためのお薬を処方しています。

 

J-CLINICのオーダーメイド漢方薬

J-CLINICの粉末漢方薬がスプーンにのっている

1週間分から処方。症状に合わせて中医師が複数の漢方薬を調合して、1日分ずつ袋に入れてお出しします。飲み方が書いた説明書も一緒にお渡しします。

当院の漢方薬の特徴はオーダーメイドスタイル。中医師の先生が、患者様の体調に合わせてお薬の成分を調整してくれるのが特徴です。

例えば、東洋医学では、体調と季節は密接に関係していると考えられているので、雨季に入って頭痛が酷くなった、手足がむくむという時は頭痛とむくみに効く漢方薬を加えます。

粉末漢方薬のお値段は1週間分750B(初診料は500B)です。

 

更年期障害でよくある体質タイプ

当院で治療を受けられる更年期障害の多くの患者様の体質は大きく分けて2つです。

 

1.陰虚火旺(いんきょかおう)

冷やす力「陰」が落ちて、熱の状態が強くなった状態。いわゆるホットフラッシュです。

 

  • 体の状態:陰の消耗によって相対的に陽が亢進して発生する熱
  • 症状:痩せ衰えた感じがする、頭、手のひら、足の裏や胸が熱い、落ち着かなくていらいらしやすい。頭痛、午後に微熱が発生、夜中の発汗、便秘、口喝など。
  • 舌:乾燥している、舌苔は薄い、色は赤っぽい
  • 脈:細くて速い
  • 治療法: 滋阴潜阳(陰を養い、陽を鎮める)
  • 処方される主な漢方薬: 左归饮合逍遥散加减

 

2.脾腎陽虚 (ひじんようきょ)

脾と腎の「陽」が不足している状態。手足の冷え、食欲不振、疲れがとれない。

 

  • 症状:疲れやすい、顔色が悪い、イライラする、お腹の膨張感、体のむくみ、手足や膝の冷え、腰痛、頻尿、下痢気味、便が緩い
  • 舌:淡紫色、ぼってりとして歯形がついている、白苔がある 伏、滑、
  • 脈: 拍脈が細くて、消極的で力のない脈、伏脈、滑脈
  • 治療法:温阳建脾(温陽と脾臓の強化)
  • 処方される主な漢方薬: 右归饮合理中汤加减

 

陽虚と陰虚とは?

最後に陽虚と陰虚についてお話します。

聞きなれない言葉かと思いますが、 中医学は陰陽学説をもとに考えられており、全てのものが「陽」と「陰」に分けられます。

陰陽の白黒のイラスト

陰陽のイラスト

 

そして、人は加齢によって「陽虚」と「陰虚」のどちらかの状態になりやすいと言われています。

 

運動をしている中年男女

陰虚とは陰が足りない、すなわち「静」が不足している状態。

 

体調が悪そうな中年女性

陽虚とは陽が足りない、つまり「動」が不足している状態です。

 

陽虚と陰虚のどちらが良いというわけではありません、陰と陽のバランスが重要です。

陰と陽のバランスがとれていることが、健康である状態であると中医学では考えられています。乱れた、陰陽のバランスを整えるにために、当院では漢方薬、鍼灸治療、また生活アドバイスなどを中医師が行っています。

 

 

初診の場合は、鍼灸漢方科の日本語通訳がいる日にご受診ください。

よくあるご質問ですが、当院には鍼灸漢方科に勤務する日本人鍼灸師はおりません。

鍼灸治療や漢方薬を処方する資格をもった中医師(Traditional Chinese medical doctor)の先生が問診と施術を行います。鍼の打ち方は痛みの少ない日本式をとり入れています。

鍼灸漢方科の治療では、タイ人の中医師の先生が体質タイプの診断、治療効果について東洋医学と中医学の用語を使って説明します。そのため、日本語通訳を通してお話ししていただくことがより理解が深まります。

 

鍼灸漢方科に日本語通訳がいるスケジュール

 

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