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ジャンパー膝や膝蓋下脂肪体炎など膝の痛みの検査・評価法を勉強する|J-CLINIC理学療法科

こんにちは、バンコクで理学療法と鍼灸治療のクリニックを経営している佐藤です。

 

さて、6月に続き 7月の朝練のテーマは、膝治療です。

 

当院では毎週末、レベルごとにクラス分けをし、テーマを決めて朝8:30から9:30まで勉強会をしています。通称「朝練」と呼んでいます。

 

まずは7月6日、7月7日、7月20日に行われた、理学療法科のアドバンスクラスの朝練のレポートです。

 

膝蓋下脂肪体をエコーで検査する

膝蓋下脂肪体(しつがいかしぼうたい)は、痛みを感じとりやすい組織です。

超音波検査装置を操作する理学療法士とそれを見ている他のセラピストたち

膝の屈伸時の膝蓋下脂肪体の動きを確認してます。

 

膝蓋下脂肪体炎:スポーツで膝を酷使した、または打撲などの外傷が原因で膝蓋下脂肪体に炎症が起きる。膝の下のあたりに痛みが出ます。

 

膝蓋下脂肪体は、膝のお皿の真下にあります。

膝関節の模型

膝関節の模型。膝蓋下脂肪体はだいたいこの辺にあります。水色の部分は半月板です。膝蓋下脂肪体の場所については、下の図をご覧ください。

 

膝蓋下脂肪体は、膝の曲げ伸ばしに合わせて形を変えて動き、膝への衝撃を和らげる役割をしています。

 

 

 

また、膝蓋骨の動きをスムーズにする働きをし、膝の内圧を調整する組織です。

 

エコー検査の映像

膝蓋下脂肪体が繊維化しているかどうかを確認しています。

 

炎症により脂肪体が線維化し、柔軟性が失われて組織が硬くなります。

 

脂肪体の柔軟性が失われると、膝が伸び切らない、膝が曲がり切らない、といった可動域制限が出ることもあります。

 

セラピストがスライムを触っている

脂肪体はもともとサラサラな組織ですが、硬化して線維化すると少しべたつくような感じになると言われています。その感じをイメージするために、みんなでスライムを触ってみました。

 

また、非荷重時(仰向けの状態)での骨の位置、立位での状態、歩行分析の評価練習もしました。

 

理学療法士が患者役のスタッフの足を触っている

これは、仰向けの状態、膝の過伸展がないかを評価しています。

 

膝の痛みと可動域制限の原因は脂肪体の柔軟性の欠如なのか、走行の問題なのかを鑑別し、原因にあった治療とケアの仕方を患者様に提案していきます。

 

膝痛の触診の練習

続いて、7月7日に行われた、ベーシッククラスのレポートです。ジャンパー膝など、膝に痛みがある場合の触診の練習をしました。

 

検査のポイントは股関節、膝関節、足関節です。

股関節、膝関節、足関節のイラスト

膝治療の検査は、膝にフォーカスしたミクロな視点だけではなく、股関節と足関節との関係性、さらに重心の位置、体幹の状態、歩行などのマクロな視点、両方必要なのでチェック項目が多岐にわたります。

 

股関節の検査

患者役のスタッフが座っていて、その膝をセラピストが触っている

股関節の内旋可動域のチェック

 

股関節に対して、大腿骨と骨盤がどの様についているのか(頸体角、前捻角)、屈曲伸展、回旋はどれくらい保たれているかを検査します。

 

膝関節の検査

セラピストが横になっている患者役のスタッフの膝を触っている

膝蓋骨の高さに差がないかチェック

 

膝関節のお皿の位置はどうか、大腿骨と脛骨の関節のゆるさはないか、脛骨の捻れはないかをチェックします。

 

横になっている患者役の膝の横に、膝関節の模型を置いている

脛骨の位置が膝蓋骨に対して外旋していないか確認しています。

 

患者役のスタッフが膝を立てて寝ている、セラピストがその膝を触り検査をしている

脛骨の前方変異がないか確認する検査。

 

足関節の検査

患者役のスタッフの足の裏を触って検査をするセラピスト

ショパール・リスフラン関節に動きの差がないか左右で比べてます

 

足の裏の関節の説明イラスト

リスフラン関節、ショパール関節

 

 

足関節は、アキレス腱と踵の角度は正常か、踵はどの場所で床と接しているか、親指は4指に対してどの位置にあるか、アーチは保たれているかなどを検査しました。

 

膝蓋靭帯炎の検査と治療法を勉強する

7月20日のアドバンスクラスの勉強会のテーマは膝蓋靭帯炎。

 

膝蓋靭帯炎はジャンパー膝、膝蓋腱炎とも呼ばれ、膝の曲げ伸ばしを繰り返すことで、膝蓋靱帯が炎症を起こす怪我です。

 

勉強会では、膝蓋靭帯の特徴特徴、問診で把握したい情報、動きのチェック、また膝蓋靭帯に炎症があるとどのようにエコー検査で映し出されるのかを確認しました。

膝蓋靭帯のイラスト

大腿骨から膝蓋骨(膝のお皿)の内側にかけて付いているのが膝蓋靭帯です。膝蓋骨が外側へ外れないよう止める役割を担っています。

 

膝蓋靭帯がどんな組織か理解を深めるために、1Kgダンベルとセラバンドを使って膝にかかる負担を再現してみました。

セラバンドを下に引っ張っているセラピスト達

脛骨(スネ)が前に出てると膝蓋靱帯にかかる負担の違いを確認してます。

 

 

1キロダンベル2個をセラバンドにぶら下げている、それを見ているセラピスト達

膝蓋骨(膝のお皿)の位置の違いで膝蓋靱帯にかかる負担の違いを確認してます。

 

ベッドに座り方膝を抱え持つセラピスト達

股関節屈曲に伴う骨盤の後傾を抑制する運動をしています。

 

片足をお尻の方に蹴り上げて、手でもちながら大腿四頭筋をストレッチしているしているセラピスト達

効果的なストレッチ指導のために大腿四頭筋のストレッチが膝関節を完全屈曲した場合とそうでない場合でどこが伸ばされるかを確認してします。

 

 

他にも、非荷重時(仰向けの状態)での骨の位置、立位と歩行の状態などを評価・分析する練習もしました。

 

J-CLINICでは評価した情報から、膝蓋靭帯に問題がある原因が組織の柔軟性の低さなのか、走行の悪さなのかなどを鑑別し問題にあった治療とケアの仕方を提案します。

 

 

私たちは20マイル行進です\(^o^)/

 

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